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『甘い生活』

『甘い生活』について語る PARLO DEL "LA DOLCE VITA"

イタリア映画、『甘い生活(La dolce vita)』
(1959年*フェデリコ・フェリーニ監督)はすごい。

色男な新聞記者マルチェッロ
(演じるのはイタリアが誇る名俳優マルチェッロ・マストロヤンニ
ソフィア・ローレンとのコンビでの作品が多数。
わたしのお気に入りはヴィットーリオ・デ・シーカ監督の2作品。
1963年の『昨日・今日・明日(Ieri, oggi, domani)』と
1964年の『あゝ結婚(Matrimonio all'italiana)』)である)。
彼をめぐる多階層の人間模様を
てんこ盛りにして描いた作品である。
不倫、愛人の自殺未遂、ハリウッド女優との出会い、
「奇跡」の取材、上流階級の集い、父親の上京(上ローマ?)、
幽霊退治、友人の自殺などなど。
彼の周囲には実に様々なことが起き過ぎる。

アメリカ人女優役のアニタ・エクバーグ
(ハリウッドのB級映画でスタートし、
イタリアにて成功をおさめた彼女だが、
実はスウェーデン人)と
トレヴィの泉で抱き合うシーンはあまりにも有名。

ローマでポスター売りの屋台を見たことがある方は、
目玉商品としてこの映画のポスターが
吊り下がっているのを目にしているかもしれない。
個人的には2人がサン・ピエトロ大聖堂の
クーポラへ上がるシーンの方が好きなのだが。
こんな風にイタリアの様々な顔と
そこに住む人間たちを書けたらいいな、と思う。
わたしの拙い文筆活動の目標は
フェリーニの名画『甘い生活』なのだ。

ちなみに現在、ゴシップなどを追う写真誌記者のことを
一般に「パパラッチ」と呼ぶが、
この名称はこの映画で主人公の相棒のカメラマンが
「パパラッツォ」という名前だったことから来ている。

参考文献
柳澤一博『イタリア映画を読む』フィルムアート社(2001)
岩本憲児『フェリーニを読む』フィルムアート社(1994)
『GQ・2000年5月号*特集・フェリーニの誘惑』嶋中書店(2000)

(2004年8月11日)

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